【ワールドカップ予選】ヨルダン戦の遠藤

パスをつないで点を取りに行った日本代表だったが、アンマンのピッチは荒れていた。ショートコーナーで出す短い距離ですら、ボールが落ち着かずに相手に詰められてしまう。それなのに、序盤に2回続けてショートコーナーに行ったのは何だったのか。

この試合全体を通して、ボランチのところでのタメ、あるいはチェンジ・オブ・ペースができていない印象があった。この日のボランチは、当然のように長谷部と遠藤だ。遠藤はPKも外してしまったが、結果として外したことよりも判断に注目したい。遠藤の得意技である「コロコロPK」は、相手GKの動きを見切ってから逆に蹴る高等テクニック。ところがこの試合の遠藤は、GKがキッカーに向かって右に飛んだ後に同じサイドにコースを狙って蹴っている。

ここで遠藤を批判したいのではなく、彼のパフォーマンスがピーク時よりは確実に落ちているということを指摘したいのだ。遠藤保仁も34歳。横浜フリューゲルス最後の年に新卒入団した彼のことは、フリエサポーターだった僕はいつも気にかけている。フリエの残党は楢崎、吉田、大島くらいしか残っていない中で、ヤットこと遠藤が代表で活躍してくれるのはうれしいものだ。しかし、今の遠藤と長谷部を乗り越えるボランチが出てこなければ、日本サッカーの未来は暗い。

僕の期待は、セレッソの山口と扇原。細貝萌もよい選手だが、ゲームを作るタイプではないように思う。遠藤の後任としては、パスの出し手としてのスキルは不可欠だ。