【ダニエル・パウター】WOWOWライブ

先日アルバムレビューをアップしたダニエル・パウター東京国際フォーラムでのライブが、WOWOWで放送されました。アルバムは気軽に聴くには良い出来なんだけど、僕にはちょっと物足りなさを感じていました。それは、声質と曲調から受ける軽さと、ピアニストであるというウリが活かされていなかったから。そんな印象は、このライブであっさり覆されました。

ダニエル・パウターは、やはりライブシンガーだということなのでしょう。アルバムでは機械的な処理でキーを上げることがあるけど、それに似た「作られた軽さ」はステージの彼にはありません。ワイルドさを秘めた声が、ジャジーなでかつロックなキーボードにうまく乗っています。これが本物のダニエル・パウターなのだとすれば、2枚目のアルバムにも大いに期待できそう。あれだけ本人の魅力を消しても売れまくったんだから、プロデューサー次第ではもっともっと引き出せるはずですから。

ライブの終盤にはひとりのファンを舞台に上げ、隣に座らせて指を握り、キーボードの片手を一緒に演奏するという演出までありました。こういう演出はいいと思うけど、僕はミュージシャンがマイクをオフにして、観客にだけ歌わせる場面には違和感があります。この日のダニエルもやっていたけど、一緒に歌うのは大歓迎だけど、客にだけ歌わせるのは嫌ですね。あまり他人に指示されるのは、好きじゃないもんで…