【サウジ戦】3バックの意味

最初に断っておくが、この試合は前半しか見ていない。日本時間の深夜2時半キックオフは、さすがに辛かった… その範囲内での印象だが、日本代表は3バックにした場合の戦術をどれだけ共有していたのだろうかと思う。

試合後のコメントから推察するに、サウジの2トップが縦に並んでくれば4バックで対応し、横に並列に並ぶ場合には阿部が下がって3バックとする約束事だったと思われる。そして、前半の試合中には、ベンチから(たぶん大熊コーチの声で)「サイドから!」という指示が飛んでいた。阿部がディフェンスラインに下がるということは、当然ボランチは啓太1枚だ。その分、駒野と加地が高めの位置を取ることになる。しかしながら、日本の攻めは中央に寄ってしまった。

サウジがサイド攻撃をケアしていたという事情があるにせよ、中央突破を試みてはパスミスを繰り返す展開には「意図」が感じられなかった。そして左サイドに開くのは駒野であるはずだが、古巣のアレックスもこの位置に進出してくる。悩ましいのは、こと攻撃に関しては駒野は機能しておらず、アレックスを使うしかなかったことだ。オシムが駒野を酷評していたようだが、ワールドカップですでに駒野の限界は示されていた。オシムのスカウティングに、疑問を抱かざるを得ない。

局面によって3バックと4バックを使い分けるのは、別に目新しいものではない。あの素人監督・ファルカンですら、柱谷哲二を使って同じことをやっていたのだから。選手がどこまで戦術を理解して、実践できるか。それも、もちろん監督の責任である。