【チャンピオンズリーグ】レーマンが止めた

UEFAチャンピオンズリーグ準決勝2ndレグは、快進撃を続けるイエローサブマリンことビジャレアルが、1stレグで1点のアドバンテージを得たアーセナルを迎えた。アーセナルは定石通り守りを固め、アンリの突破をレジェスやセスクがフォローしてカウンターを狙う。一方のビジャレアルも守備の形は保ったまま、ソリンやフォルラン、ホセマリに攻めさせる。両チームとも「全体的に押し上げる」ことはしないながら、個々の持つ能力の高さでチャンスを作っていた。

そして、ロスタイムも間近のタイミングでホセマリをクリシが倒して、ビジャレアルがPKを獲得。止めてやるという闘志満々のドイツ代表GKレーマンに対し、蹴るアルゼンチン代表リケルメの表情にはプレッシャーがありありだった。結局右に蹴ったリケルメのシュートをレーマンが止め、そのままスコアレスドローアーセナルが勝ち抜けた。

後半開始のときにピッチに戻ったレーマンが、自分の足のサイズを使って両ゴールポストの中間点を見極めていたのが、いかにもドイツ人らしく、そしてレーマンらしい。そんな緻密な冷静さが、PKを止めた背後にあるのかもしれない。

この緊迫した試合の唯一の汚点は、後半開始時に観客のひとりがピッチに侵入し、アンリに「HENRY 14」のバルサのユニフォームを着せようとしたこと。あまりに低レベルのパフォーマンスで、ゲームに水を差してしまった。アンリにはマドリーもオファーを出すという情報があり、その去就は注目されている。