【W杯予選】北朝鮮戦・第三国無観客に

やっと北朝鮮-イラン戦での暴動状態に対するFIFAの裁定がでた。平壌開催分の日本戦を第三国での無観客試合とするというもの。マスコミは「かつてない厳しい裁定」と評価しているけど、果たしてそうだろうか。僕には、妥協の産物にしか見えない。

第三国開催ということに関しては、日朝間に拉致をはじめとする重大な政治問題があることに配慮していると思う。今の日朝関係で、星勘定も微妙になる時点でのゲームでは、観客(つまりはそれを「支援」する国家)が冷静に観戦するはずなどないから、他でもない選手の安全を確保するためには平壌開催はあり得ないと僕は思っていた。しかし、それをあえて無観客試合としたのは、確かに北朝鮮協会にとっては入場料や販売収入が断たれる措置ではある。しかし、それよりもFIFAが考慮したのは、第三国開催がすなわち日本サポーターの集団渡航によって、かつたのジョホールバルのような「事実上の日本ホーム」になることを避けたに他ならない。

結局は北朝鮮に厳しくも見え、しかし実態として配慮しているという、まさに妥協による結論なのだ。これでも日本協会は、これまでの体たらくに比べれば頑張った方だと思う。北朝鮮が素直に裁定に応じることは100%ないので、今後の動向には要注目である。代表チームは雑音に惑わされず、まずはマナマでのバーレーン戦に備えて欲しい。