【ドラマ】デビルズ・アワー~3時33分~

アマゾンプライムのドラマ「デビルズ・アワー~3時33分~」は、とっちらかった内容が徐々に収束してゆくものの、最終的には納得感のある結末を見せられずに終わってしまった印象がある。そもそも、邦題の副題になっている「3時33分」の意味も必然性も、十分に語られないまま終わってしまったことには不完全燃焼感が否めない。時系列に従わずにプロットを並行させる手法はよくあるが、登場人物のケガによってわかるようにしたアプローチは評価できるものの、本作の見せ方として重要な意味があったかと言えば疑問だ。

英国ドラマは、米国のように銃が社会にあふれているわけでもない。警官も簡単には所持できないし、実際に使用する場面も限られる。その結果、銃での撃ちあいではなく、ナイフや工具、ガラスの破片などを駆使した肉弾戦になりがちで、かえって残虐なコンテンツになってしまう。これは「刑事ジョン・ルーサー」にも言えることだ。キャスティングも地味で全体的に暗い印象になってしまい、華やかさに欠けることと合わせて、必要以上に陰鬱な映像に仕上がってしまったのはもったいない気がした。

1つのエピソードが50分を超え1時間に迫る長さであることも、「45分モノ」に慣れてしまった立場では集中が続かずに冗長感を抱いてしまう。2時間半を超える映画にしても同様だが、長くしてコンテンツを増やせば視聴者が喜ぶと思ったら大間違いだ。1話のエピソードをどこで切って、どのくらいの長さにするか。CM枠前提の地上波ドラマとは違って融通が利くのだから、見る側のことを考えて製作してもらいたいものだ。