【映画】刑事ジョン・ルーサー: フォールン・サン

先日までアマゾンプライムでドラマ版を見ていたので、映画版がNetflixの配信ということに違和感があった。ただ、内容は完全にドラマを踏襲しており、猟奇的な事件を収監中のルーサーが脱獄までして解決するという破天荒な展開だ。ルーサーは表情にも年齢を感じさせるようになって、少しだけアクが抜けたようにも見えた。ドラマから4年経っているので、それも自然なことだろう。

ドラマ版の特徴のひとつに、登場人物があっさりと死ぬということがあったが、さすがに映画なので130分という短いタイムラインの中ではSWAT隊員が致命傷を負うくらいしか描けなかった。それはつまり、映画とドラマでは作り方、見せ方を変える必要があるということで、映画には短い時間で完結させるための削ぎ落したストーリーラインが求められるということだ。ドラマならしつこく、恐怖感を煽ることができても、映画ではそうはいかない。同じ「猟奇的事件」でも、描写に適するかどうかは違ってくるはず。その意味では、うまくまとめて見せてくれた印象がある。

ラストシーンでは、今後に大いに期待を持たせる展開が用意されていた。ルーサーにオファーを出しに来たのは誰なのか。部分的に示された情報は、ルーサーが別のステージに飛躍する予感を孕んでいる。演技力も評価されているイドリス・エルバだけに、これでシリーズが終わってしまってはもったいない。今後の展開に、期待が高まっている。