【映画】トイ・ストーリー4

このシリーズのすごいところは、おもちゃを主役にしたストーリーの中でしっかりとハートウォーミングな物語を紡ぎ上げて、さらにキャラクターの表情で見る者の心を揺さぶるところだ。本作も、ギャビー・ギャビーというヒールを用意しながら、彼女のトラウマを描きつつも最後は見事に丸く収めてしまうのだ。この難しい位置づけのキャラクターを吹き替えていたのは新木優子。日本版の「スーツ」でも、無口で控え目なキャラクターが終盤に一気に華やかさを増していたように、本作での演じ分けも見事だった。

米国の子供向け映画では、物理や化学などの法則に準拠した展開がよく見られる。このシリーズでも、おもちゃの攻撃の際に梃子の原理のようなピタゴラスイッチに出てきそうな仕掛けが多様され、教育的な要素を忘れずに取り込んでいるところが興味深い。こういうところで「ニヤっ」と笑えることが、子供にとっての優越感につながるのかもしれない。

そして、本作で登場するキャラクターの中で、圧倒的なインパクトを残してくれるのがデューク・カブーン。カナダのスタントマンという設定だが、妙なポージングが得意で、カナダももじった"Yes, I Canada! "というセリフも妙に記憶に残る。エンディングにも登場するので、エンドロールは最後まで見ないともったいない。