【ドラマ】ハンドメイズ・テイル/ 侍女の物語

WOWOWで録画していた「ハンドメイズ・テイル」のシーズン2まで見終わったので、Huluの配信でシーズン3を見始めた。もともとは女性が虐げられる世界を扱ったディストピア物という位置づけで見てきたのだが、ここまで見てみてそれとは別の観点に気づくことができた。それは、「ティール組織」の中で論じられる「ホールネス(Wholeness)」という考え方だ。ホールネスとは、会社に行くときに本来の自分を隠して別の自分を演じることがない状態。自分らしく生きることを指している。

このドラマで描かれるのは、「司令官」の家庭において女性は妻(精神的社会的なパートナー)、侍女(出産)、女中(家事)という分業体制が確立しており、それぞれのポジションに求められる役割や制約が明確な世界。自分らしさの対極であり、社会あるいは宗教の求める価値観の下に、あるべき姿を演じることが強いられるのだ。女性たちは皆、幸せそうには見えないが、それはまさに「ホールネス」が失われているからではないだろうか。

ギレアドに制圧されたボストンのスーパーは、まるで旧ソ連など東側諸国の小売システムを思わせる映像だが、社会主義的共同体、ナチス的な統制、宗教、カルトといった要素を散りばめながらも、メッセージとしては「人の生活においてホールネスがいかに重要か」ということではないかと思いながら、シーズン2の終盤を見ていた。