【ラグビーワールドカップ】日本―サモア

FWの重量差が約30kgあり、体格の良いサモア相手にスクラムは苦労するだろうと思っていた。だからこそ、後半14分に見せてくれたドライビングモールを押し込んでのトライに驚かされた。今大会での活躍が際立っている姫野が押さえたこともうれしかったが、日本がサモア相手にスクラムやモールで負けないことが誇らしかった。姫野はこの試合でも、密集の中で相手ボールを奪うジャッカルを見せてくれた。

そして、80分を迎えるホーンが鳴り響いて勝利は確実になったが、そこからまたしてもサモアボールのスクラムを押し込んでマイボールにすると、あわやスクラムトライかという展開からSH田中からFBに移っていた松島にボールが渡り、福岡を余らせて飛び込んだ。

最初のトライは、対戦相手であるサモア出身のラファエレ。チームにとっても彼個人にとっても、非常に大きな価値のあるトライだったことだろう。レメキにもトライを取らせたかったが、それはスコットランド戦のお楽しみということろだろうか。一方、気になるのはFB山中の判断が遅いこと。また、今日の序盤はやや相手をナメている様子があり、バックス陣が利己的に動いてしまっていたように見えた。SH流のパスも、相手の飛び出しに掛かりそうで怖かったが、接戦の展開の中で修正できたことは素晴らしい。

いよいよ、次はスコットランド。前回大会で完敗したことで、南アフリカに対する歴史的な勝利をフイにしてしまった因縁の相手だ。油断せず、7万人近い観客を酔わせてくれることに期待しよう。