【ラグビーワールドカップ】日本―サモア

この試合で、日本にとって大きなポイントとなったのは、前半の終盤にHO堀江がシンビンとなった場面だった。HOは高度ば専門職で、スクラムフロントローとして敵と対峙し、SHの入れたボールを自陣に引き込むだけでなく、ラインアウトのスローワーとしての役割も担う。その堀江のいない時間帯にモールを押し込まれてトライを許した上に、代役を務めたリーチが入れたノットストレート気味のラインアウトを、サモアの4番に完璧に読まれてロストしてしまう。

結果的には、堀江が戻った直後の後半7分にサモアのベン・ラムがレッドカードを受けたことで、一気に日本が優位に立った印象。この微妙な反則がなければ、かなり苦戦することになっていたはず。この状況で4トライを挙げてボーナスポイントを取れなかったのは、実力の差なのだろう。7月のテストマッチではサモアに敗れているだけに、この判定が日本を救ったとも言えるが、危険なタックルであることは間違いないので、個人的には妥当な判定であったと思っている。

そのリーチ・マイケルだが、トライの場面で大外にポジションを取っていたことは、ある意味不可解でもある。普通はWTBの選手がいるポジションで、CTBやFBならまだしもFLのリーチがあそこで待っているのは敵味方ともに想定外だったのではないか。

後半の日本のトライは、僕が好きな展開。ドライビングモールを押し込んで姫野が決めるというものだが、前半にサモアにやられた意趣返しということもあって、選手たちは爽快な気分だったのではないか。

アルゼンチン戦に決勝トーナメント進出が掛かるが、決して弱い相手ではない。日本開催のワールドカップではフランスとの対戦を生観戦しているが、終盤までもつれた熱戦だった。勝てない相手でもないので、しっかり準備して自分たちのストロングポイントで勝負してもらいたい。