フィリップス・コレクションはダンカン・フィリップスが収集した美術作品を展示している、ワシントン郊外にある美術館です。2006年までは改装中で主な作品は貸し出されているということだったので、僕はこのワシントン滞在中には行きませんでした。
ところが、帰国してたまたま乗った都営地下鉄三田線に中吊り広告があって、六本木ヒルズの森アートセンターギャラリーでフィリップス・コレクション展をやってるじゃないですか！ しかも、今度の日曜日まで。だいたい、貸し出し先が日本だったっていうことだけでも縁を感じてしまうので、思わず今日の会社帰りに寄ってみました。六本木ヒルズだから平日の夜はデートコースかなと思ったけど、意外と会社帰り風の女性ひとり客が多かったよ。
さて作品の目玉はルノワールの「舟遊びの昼食」。これは、オルセーにある「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」と並んでルノワールの中では大作の部類に入るもので、たくさんの人物が描かれている点ではよく似ています。僕はオルセーに「ムーラン～」を見たくて行ったんだけど、オルセー自体がたくさんの良い作品を詰め込んで展示しているせいもあって、あまり目立たなかったんだよね。感動も薄かったんです。だけど、「舟遊び～」は良かったですよ。ルノワールの特徴は、人間の肌を描くときに使われる「青」で、これが白人の透けるような白さを際立たせるんです。でも、「舟遊び～」では、青ではなく赤が効果的に使われていて、生き生きするような躍動感、あるいは「熱」を感じました。
この他にもエル・グレコ、ゴッホからブラック、カンディンスキーまであって、なかなか楽しめます。ただし、会期はあと４日なのでお急ぎください（＾＾；
http://www.phillips-collection.jp/
