【ミュシャ展】フランスとスラブの相性

京都出張の際に、伊勢丹7階にある美術館「えき」KYOTOで「知られざるミュシャ展 -故国モラヴィアと栄光のパリ-」を鑑賞しました。アルフォンス・ミュシャは現在はチェコの一部である南モラヴィアに生まれ、パリで活躍した画家。芝居のポスターやイラストが特徴的ですが、アール・ヌーヴォーの旗手としてチェコスロバキア共和国の紙幣や切手、国章などをデザインしています。この展覧会は、チェコの蒐集家チマルのコレクションを中心に、約160点の作品を楽しめます。

この展示を見て痛感したのは、フランスの芸術の根底にある美的感覚が、スラブの文化と非常に親和性が高いということ。以前からシャガールカンディンスキーらの作品を通してロシアとフランスの文化の近さを感じていましたが、ロシアに限らずスラブ系の文化全般にフランスとの相性の良さがあるのだと思い直したのです。白を基調に赤と青を巧みに使った色彩や女性の体の曲線など、随所に類似性を見て取れます。

今週末からは六本木ヒルズの森アートセンターギャラリーでも、これとは別のミュシャ展が開催されます。印象派の画家ほどメジャーな存在ではないにも関わらず、これだけ国内で鑑賞の機会が相次ぐのはなぜでしょうか。日本におけるミュシャ人気は、低くはないのでしょうね。

http://kyoto.wjr-isetan.co.jp/floorevent/index_7f.html