【コミック】ギャラリーフェイク33巻

アートを題材にした細野不二彦のコミック「ギャラリーフェイク」の11年ぶりとなる最新刊が11月に発売されていたことを知り、思わず購入してしまいました。この作品は、かつてメトロポリタン美術館のキュレーターだったフジタが、ブラックマーケットと関わりながらも実をとってゆくストーリーが魅力です。

この33巻は、時を遡ってフジタとサラに接点があったことを示すエピソードや東日本大震災に絡めたもの、そしてビッグコミック・スピリッツの35周年記念として書かれた「アンソールの男」が収録されています。読んでみて、ストーリーには引き込まれるのですが、登場するキャラクターの品のなさや台詞の古臭さもあらためて感じてしまいました。それらも含めて細野作品の世界観なのでしょう。

アンソールの絵画は、夢に見てうなされてしまいそうな妖しさのある作風なのですが、だからこそヨーロッパのファンタジーを思わせるような雰囲気も醸し出してくれます。あまり現物を見る機会はないので、じっくり鑑賞してみたくなりました。