【タイ―日本】過去に執着

ワールドカップ・ロシア大会のアジア最終予選第2戦で、日本代表はタイをなんとか振り切った。「中東の笛」を懸念する声があり、実際に森重がイエローカードを提示されたとはいえ、前節のカタール人に比べたら天と地ほど差があるまともな主審だった。森重の空気圧アピールも、実際にチェックして「全く問題ない」という判断で遅延行為とみなされたのだろうから、仕方ないことだと思う。

それよりも、問題はハリルホジッチの選手起用だ。この試合で先発起用した原口と浅野は結果を残したが、2試合続けてあまりにも酷い内容だった香川と体がキレていなかった本田を最後までピッチに残した意味がわからない。若手ではなくどちらかといえばピークアウトした選手なのだから、プレータイムを重ねることできっかけを掴むとも考えにくいのだ。過去に執着しる必要があるのだろうか。

仮に本大会出場権を獲得したとしても、開催は2年後。香川も本田も、今よりさらにパフォーマンスが落ちると考えるべきだ。吉田や長谷部も含め、ベテランを不動のスタメンとして起用していては、本大会では結果を残せないだろう。まずは予選を突破しなければ何にもならないのだが、突破するだけではこれまでと何も変わらない。「本大会を楽しんでくる」ようなチームになるのが関の山だ。