【USオープン】錦織―マレー

テニス・USオープンの準々決勝、錦織圭アンディ・マレーの一戦は雨の中断を挟んで4時間近くに及ぶ熱戦となった。今日の錦織は、攻める姿勢が素晴らしかった。ドロップショットやロブが目立ったが、フォアハンドウィナーの数も多く、真っ向勝負に挑んだ印象だった。

音響設備の異常で発した音で第4セットに錦織のサーブがリプレイ・ザ・ポイントになり、マレーが常軌を逸した反応でスーパーバイザーまで呼び出してクレームをつけた。これで、マレー自身の心の乱れを生んだのは確かだろう。しかし、この裁定が錦織に有利だったとは思えず、マレーの過剰な正義感と言うか自己利益への執着が、結局自分を苦しめることになったのは皮肉だ。

相撲での「金星(きんぼし)」は平幕が横綱を破ることなので、錦織がマレーに勝って「金星」を使うことには違和感がある。いずれにしても、今日の錦織の攻める姿勢はよかった。2年前のUSオープン決勝のように上位に勝った後の試合で惨敗することも多いので、ここで達成感に浸って欲しくはない。