【UAE戦】人選と采配の妙

ハリルホジッチの代表選考と先発起用、そして采配が見事にハマった試合だった。この試合に対する僕の期待は、世代交代の明確化。具体的には、クラブで好調な大迫と久保の起用だった。その久保が期待に応えたことが大きかったが、ベテラン陣でも今野と川島の起用も的中した。2点目のシーンでは今野のポジションに長谷部がいたとしても、マークを外すことはできなかったし、シュートも決まらなかったように思う。

それ以上に、僕にとって意外だった起用が倉田秋だった。昔から「ガンバの若手」という印象しかなかったのだが、そんな彼もすでに28歳。ここにきての代表選出というだけでも、サプライズだった。そして後半26分に登場すると、あの時間帯で前線を活性化させ、絶妙なスルーパスも通した。キープを期待されたはずの本田が個人技に走り、岡崎も空回りしていたことと対照的だった。

かなり昔になるが、とある講演でジーコが「交代出場の選手は、自分が代わった選手ができなかった何を自分がするかが重要」と語っていたが、本田も岡崎もサブからの出場には慣れていないせいか、交代したことでのプラスが見られなかった。倉田の良さは、この視点からも見て取れる。