なでしこJAPANはベトナムと北朝鮮には勝ったものの、2勝2敗1分でリオデジャネイロへのチケットをつかみ損ねた。宇津木がいない中盤ではキープができず、宮間は孤軍奮闘が空回りして自滅していた。彼女中心のチーム編成をしていたはずなのに、オーストラリア戦で結果が出ないとボランチからFWに配転し、最後は古巣の左サイドに戻した。これでは、得点の形などできるはずもない。
佐々木監督は、ベストの11人で一戦必勝を目指すのではなく、ターンオーバーしながら全員で戦うスタイルを選択した。絶対的なエースが不在だからという考えもあるが、大事な初戦にベストメンバーを組まないのは余裕を見せ過ぎだろう。そもそも、直前合宿から若手を切ってしまい、ワールドカップ以来のメンバーに賭けた。それは、自分に従ってくれる「仲間」への依存でもある。ピークを過ぎた大野や宮間に過度に期待した結果がこれなのだ。