【なでしこJAPAN】必然の敗退

なでしこJAPANはベトナム北朝鮮には勝ったものの、2勝2敗1分でリオデジャネイロへのチケットをつかみ損ねた。宇津木がいない中盤ではキープができず、宮間は孤軍奮闘が空回りして自滅していた。彼女中心のチーム編成をしていたはずなのに、オーストラリア戦で結果が出ないとボランチからFWに配転し、最後は古巣の左サイドに戻した。これでは、得点の形などできるはずもない。

佐々木監督は、ベストの11人で一戦必勝を目指すのではなく、ターンオーバーしながら全員で戦うスタイルを選択した。絶対的なエースが不在だからという考えもあるが、大事な初戦にベストメンバーを組まないのは余裕を見せ過ぎだろう。そもそも、直前合宿から若手を切ってしまい、ワールドカップ以来のメンバーに賭けた。それは、自分に従ってくれる「仲間」への依存でもある。ピークを過ぎた大野や宮間に過度に期待した結果がこれなのだ。

試合後のインタビューで退任を匂わせた佐々木監督の後任は、高倉麻子と言われている。僕も次は彼女か彼女の夫でもあるヴェルディGM竹本一彦、あるいはINACアドバイザーの星川敬あたりだろうと思っていた。その昔、アトランタオリンピックの壮行パーティに出席する機会があり、高倉に「シドニーは監督でどうか」と尋ねたところ、まんざらでもない表情をしていたことを覚えている。おそらくは自分が育てている若手を起用してくれるだろうから、世代交代にも期待できそうだ。