【女子ワールドカップ】日本―イングランド

菅澤も長谷川もいない布陣からは、この試合に勝つ意欲がそれほど高くないことをうかがわせていた。それはそれで構わない。グループリーグは勝ち抜ければよいのだし、ピークをこんなところに持ってくる必要もない。ただ、連携の部分でこれだけミスが続いては、ここから先の期待感も高まりにくい。ベストコンディションでない選手が多い中、高倉麻子監督の采配に注目だ。

失点の場面は、裏を取られた際の市瀬の戻りが遅かった。もう少していねいに言うなら、動き出すのが遅い上に何としてもシュートを打たせないというコミットメントも欠けていたように思う。スコットランド戦で「前」に対する強さを見せていた市瀬だけに、「後ろ」への弱さが気になった。杉田も遠藤も、思ったようなプレーをさせてもらえなかったのはネヴィル監督の巧みな采配なのかもしれない。

交代出場した菅澤は、ゲームに入る前にチャンスをつぶしてしまったので、もう少し長い時間があれば十分に通用しただろう。いずれにしても、これで終わりではない。ノックアウトステージに向けて調整したくらいの意識でもよいと思う。ベテランの宇津木や阪口、負傷明けの籾木も含め総力戦で戦ってもらおう。