前評判は決して高くなかったものの、手堅いゲーム展開で決勝まで待ち進んだなでしこJAPAN。しかし、ディフェンディング・チャンピオンの宿命として研究し尽され、米国の緻密なセットプレーに押しつぶされた。これは米国の底力といえるだろう。
この大会を通じて、日本のマスコミは澤をエースであり続けていると信じていたように思う。実際のところは阪口と宇津木がボランチを組み、宮間を左MFに配したスタメンだった。前回大会から澤と近賀が、宇津木と有吉に取って替わられたことになる。
宇津木の成長は著しかった。これまではセンスはあるもののスピードに欠けるために裏を取られるシーンが多かったのだが、この大会では読みと動き出しの早さでスピード不足を補い、中盤でキープできる貴重な存在となっていた。有吉も進化した。ベレーザでも代表でも、苦し紛れのファウルで大事なところでカードをもらうことの多かった彼女が、今大会では脚光を浴びていた。