【なでしこJAPAN】中国に劇的勝利

攻めていても決定機が作れない。中国のGKが当たっていただけに、PK戦には持ち込みたくない展開だった。しかし最後の最後、延長後半ロスタイムになって中国が退場者を出し、足がつる選手も続出。何かが明らかに変わった中で、間違いなくラストプレーになるであろうCKが巡ってきた。いや、イエローカードのカウント違いがなければ、その前に終わっていたかもしれない。そんなタイミングだった。

コーナーフラッグに向けて急ぐ宮間。彼女の繰り出したボールにファーサイドで岩清水が合わせたヘッドは、定石通り「叩きつける」ボールとなって中国ゴールを割った。不運ではあるが必然でもあった中島のハンドで失った1点の呪縛は、これでやっと消え去ったのだ。

ただし、この大事な試合で結果を出したのが澤であり宮間であり、そして岩清水というベテラン勢だったことには懸念も感じる。交代出場しながら途中交代させられた木龍を筆頭に、この試合だけ見れば若手の押上げがなかったからだ。かつての中国はアジアの女子サッカーに君臨していて、日本が勝てそうもない相手だった。だからこそ今の中国を見てしまうと、日本もうかうかしてはいられないという怖さを感じざるを得ない。