【損保ジャパン東郷青児美術館】ウフィツィ美術館展

東郷青児美術館で始まった美術館で始まった「ウフィツィ美術館 自画像コレクション」に、珍しく初日に出掛けてみました。それほど点数は多くないですし、自画像ばかりなので好き嫌いは分かれるところだとは思いますが、なかなか見所のある展覧会です。一言で「自画像」と言っても、写実主義のものもあれば象徴主義もあり、デッサン寄りなものがあれば色彩中心のものもあります。そのあたりの対比によって、画家が何を見ていたのかを感じることができそうです。

序盤のイタリア・ルネサンス系の作品はあまり興味がなかったのですが、レンブラントの暗い色彩の中にくっきりと描かれた自画像に、まず「らしさ」を感じます。そしてドニの「家族といる画家の自画像」の中間色の色彩、藤田嗣治日本画の伝統を感じる「線」を生かした自画像、さらにはシャガールの幻想的な作品まであり、それぞれの画風が如実に表されているところが面白いですね。コンテンポラリーな作品もあって、それは興味を惹かれたのですが、草間弥生の自画像が派手すぎて、全体の雰囲気を損ねているように思いました。

そして、この美術館のお楽しみは常設の収蔵品展示。グランマ・モーゼス東郷青児もよいのですが、何と言ってもゴッホの「ひまわり」は外せません。ゴーギャンセザンヌを従えて、絵具で立体感すら出している豪放な黄色い花の存在感は圧倒的です。11月14日までの会期ですが、開幕したばかりということもあって土曜日の昼でもゆったりと鑑賞することができましたので、今が鑑賞のチャンスだと思いますよ。

http://www.sompo-japan.co.jp/museum/exevit/index.html