【損保ジャパン東郷青児美術館】最後の印象派

西新宿の損保ジャパン東郷青児美術館で開催されている「最後の印象派」展を鑑賞しました。20世紀の初頭に、フォービズムやキュビズムなどにトレンドが移行する時期の作品ですが、有名ではなくても魅力溢れるものが多くありました。

ただ、印象派の特徴である光と色彩の交錯をもって描くアプローチにおいては、すでにインパクトのある対象が描き尽くされてしまったのでしょう。どうしてもモネやルノワールのマスターピースを思わせ、「模倣」のように見えてしまう作品がありました。描きたいものを描けば模倣になり、独自性を追求すれば凡庸になる。そんな画家の葛藤を感じたのです。

作品としては、マルタンの「野原をゆく少女」がとても印象に残りました。まるで天から舞い降りた妖精のような少女を取り囲む光が、とても幻想的です。シダネルの「コンコルド広場」も、夜の照明が妖艶で、オリジナリティを感じます。