【東京都美術館】伝説の洋画家たち

小雨模様の土曜日に、自転車で当てもなく走っていて上野公園の近くまで来たので、東京都美術館を訪れてみました。ちょうど「伝説の洋画家たち 二科100年展」を開催していたのですが、この展覧会は日本の洋画史が俯瞰できてなかなか見応えがあります。

描くことへの強いパッションを感じる初期から、アプローチにこだわった時期を経て、それらが融合された骨太な表現が生まれていることを感じました。初期の作品は情熱が強すぎて、ちょっと僕には受け止めにくかったのですが、三井文二の「京都疎水ダム」は鮮やかな筆致で印象に残りました。そして、一番気に行った作品は中川紀元の「アラベスク」。パリのエスプリを感じさせるデフォルメが特徴で、別の文脈の中の展示としても味わってみたい作品です。

日本の洋画というとアングラな印象かもしれませんが、岸田劉生佐伯祐三藤田嗣治東郷青児といった独特な画風を持つ画家の作品が並び、時を経て岡本太郎に行きつく流れは自然でもあり、突然変異のようにも思えます。