【ゴーギャン展】点数は物足りない

竹橋の東京国立近代美術館では、9月23日まで「ゴーギャン展」が巡回中です。上野公園や渋谷などよりもアクセスが悪いのでもう少し空いているかと思ったのですが、日曜日の午前中はさすがにかなり混雑していました。展示の位置が低めな上に、3列くらいに人が並んでいるので、じっくり作品を鑑賞するのは難しかったですね。

ゴーギャンの作品が年代を追って展示されており、初期はごく普通の絵画であることにあらためて気づかされます。表情などの細部は描かれずに、色彩もアルル以降は華やかになるものの、強い印象を残すほどではありません。版画の作品を多く手がけるようになった頃からは、表情などの細部にもこだわりを見せ始め、それがタヒチの原色と相俟って彼の作風が一気に花開きます。

この展覧会の目玉「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」は、あたかも宗教画のような神々しさがある一方、クリムトが金色で表現した世紀末の退廃が、ここでは原色の黄色で表されているように思いました。ゴーギャンにとって、この作品がなければ凡庸な画家で終わったかもしれない、そんな意味のある作品です。

http://www.momat.go.jp/Honkan/gauguin2009/index.html