【東京国立近代美術館】菱田春草展

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開館60周年を迎えた東京国立近代美術館で、今週末まで開催されている「菱田春草展」。僕の感じた菱田春草のキーワードは、フォーカスとコントラストでした。その絵における主題は何か。それを明確に提示する手法が確立され、対象と対象を描き分けていると感じたのです。そのことがコントラストをはっきりさせ、水墨画のアプローチであっても華やかな世界観に見せていたように思います。
 
表情のデッサンでは、インド風のデフォルメを思わせる骨太な線を楽しめます。彼は横山大観とともにインドを訪れているので、実際に影響を受けているのでしょうね。この展覧会後半の目玉は「黒き猫」でしたが、僕は「猫に烏」の金の地に描かれた白猫の方が好きです。
 
それにしても、この美術館のオペレーションや展示方法には毎回何らかの問題を感じるのですが、今回もチケット購入に20分かかりました。これらは美術館としての課題だと思います。