EURO 2012の決勝でスペインの対戦相手は、予想していたドイツではなくイタリアだった。攻撃力のあるドイツの方が、恐らくスペインにとってはやり難かっただろう。スペインは序盤からパスワークが冴え、主導権を握った。14分にイニエスタのパスからセスクが右サイドを抉り、折り返したところにダビド・シルバの頭があった。鉄壁のブッフォンも、あれでは反応できない。
そして2点目は、カウンターからジョルディ・アルバがシャビに預けてパス・アンド・ゴー。この基本に忠実なプレーで折り返しをもらい、そのままゴールに突き刺した。この日のスペインの良さは、基本に忠実だったこと。このパス・アンド・ゴーもその通りだが、攻めるときは攻め、守るときは守る切り替えの速さ、前線の動き出しまで素晴らしいものだった。
3点目は交代出場のフェルナンド・トーレス。さらにはフェルナンド・トーレスからマタにつないで4点目を挙げた。イタリアはパスの出所をふさぐことができず、スルーパスで切り裂かれてしまったのだ。スペインは終盤にはキープに入り、勝ち切るためのスキルも持ち合わせていることを証明した。これでスペインはEURO2連覇に加えて、ワールドカップも含めると3連覇。名実ともに『無敵艦隊』の襲来だ。
