【スペイン-ドイツ】プジョール健在

プジョールは健在だった。ワールドカップの今大会、スピードについていけないシーンが目立ち、32歳になって衰えもやむを得ないかと思っていた。しかし、準決勝のドイツ戦ではタイミング絶妙なカバーリングが冴え、気迫が前面にうかがえた。そしてついに、後半28分のCKに後方から猛然と飛び込んできてヘッドを叩き込んだ。その前にも、フリーで放ったヘッドがバーのはるか上方に逸れていただけに、ついに執念が実ったといえよう。

この試合、ドイツはカウンターのスピードが上がらず、迫力ある押し上げがまったく見られなかった。ミュラーがサスペンションだった影響もあるだろうが、シュバインシュタイガーポドルスキの存在感がほとんどなかったほどだ。スペインの攻撃も迫力は欠いた。フェルナンドトーレスを外して入れたペドロは、いかにもスキルが不足していた。それでもチャンスを作り出していたのは、中盤のパスワークが機能していたからだろう。

これで決勝はオランダ-スペイン。期待通りのカードとなった。ドイツを止めたスペインにとって、オランダの攻撃はくみしやすいかもしれない。攻め合い、点を取り合う展開を期待しよう。セルヒオラモスのクロスから、セスクかフェルナンドトーレスのゴールにつながれば最高だ。