【アジアカップ】ベトナム破り1位通過

結果的に、試合順に恵まれたのではないかと思う。今大会のベトナムは、実に小気味良いサッカーをしており、油断した状況で試合をしていたら危なかった。2試合を消化する中でその鋭いカウンターに備えられたからこそ、先制されても余裕のある試合運びができたと言えよう。

前半はある程度ベトナムにボールを持たせて、彼らのゲームプランを崩すという手もあると思っていた。しかし、早々に鈴木啓太オウンゴールで失点してしまっただけに、仕掛けざるを得なかった。そんな中で一番の不安材料は、加地だった。キープすべき場面で仕掛けてボールを失ったり、無駄にエネルギーを消費する必要がないところで走り込んだりと、戦術理解の低さをうかがわせたからだ。しかし、あのような気象条件では、戦術理解が低いからという理由だけでは選手交代はしにくい。

負傷者が出なかったからよかったが、交代カードの選択肢の狭さは今後も問題だろう。羽生や山岸、水野あたりでは、リードされた局面での打開策になるかというと非常に心許ない。そのような場合に使えるカードは佐藤寿人1枚と見てよさそうだ。そう考えると先行逃げ切りができるようなゲームプラン。つまりは不用意な失点をしないことが、決勝トーナメントを戦う上での鍵になりそうだ。