【ブラジル-ガーナ】オフサイド紙一重

アドリアーノが決めたあのブラジルの2点目はオフサイドではなかったか。非常に際どい判定だと思うが、アドリアーノが意識的にあの動きをしていたとすれば、素晴らしいを通り越して驚異的だ。カカーがボールをキープして右サイドにスルーパスを出したとき、アドリアーノは完璧にオフサイドポジションにいた。ボールを受けたカフーがドリブルで持ち上がる間ずっとオフサイド状態だったアドリアーノは、カフーがパスを出したその瞬間だけガーナのDFラインと重なっていたのだ。

この試合を通して感じたことは、両チームとも無駄な動きをしていないということだ。日本の選手は常に全力疾走しようとするし、常に動いているからかえってここぞというときにメリハリが効かない。それに比べてブラジルもガーナもゆっくりと動き出しながら、瞬間的にトップスピードになるのはさすがだ。緩急をつけられるようになること。それが日本サッカーの課題かもしれない。

もうひとつ、サポーターについて気になった点がある。ブラジルサイドのゴール裏に、日本代表のブルーのレプリカを着ている日本人が複数いた。確かに日本が1位で勝ち抜ければこの会場で戦ったのだから、チケットを持っていても不思議ではない。しかし、他国のレプリカを着てゴール裏で観戦するのは、マナー違反ではないか。弱い日本だから大目に見てくれるかもしれないが、それこそが屈辱なのだと気づいてほしいと思う。