【ワールドカップ】チュニジア―フランス

グループステージの勝ち抜けには影響がないとはいえ、微妙すぎるオフサイド判定でグリーズマンが挙げた後半アディショナルタイム8分の表示の8分が過ぎた時点での劇的なゴールが取り消された。確かにクロスを蹴った瞬間にグリーズマンオフサイドポジションに立っていたが、チュニジアDFに当たって明らかにコースが変わっている。しかし、主審はこれを「意図的に跳ね返した」のではなく、「クロスにたまたま当たった」と考えた。つまり、ディフレクションとみなしてのオフサイド判定なのだろう。

それにしても、今日のフランスの攻撃には迫力がなかった。試合勘とかチームの熟成度とはこういうことかと納得させられたが、やはり実戦に求められるのは試合勘であり、チームとしての熟成だということだ。パスの受け手の動き出しが乏しく、足元へのパスになる。それも、受け手の次のプレーを想定していないから、いわゆる「3人目の動き」も見られず連動性が弱い。意図が共有されていないということで、これでは相手の守備を崩すのは難しい。

エムバペ、デンベレグリーズマンと投入された選手が鋭い動きを見せるにつけ、この試合に使ってもらったターンオーバーの選手たちとレギュラーメンバーとの差が明確になる。ただ、エムバペはもっと前で仕掛けさせたいのに、左サイドバックのカマヴィンガのポジショニングが悪く、中盤でゲームを作らざるを得ない状況になってしまった。これは先日のコスタリカ戦の三苫と伊藤の関係によく似ている。フランスですらこうなってしまうのだから、日本代表であれば推して知るべしというところか。