【音楽】二度とできない演奏

スポーツの試合と同じように、音楽を演奏する場合でも「本番に強い、弱い」ということがあります。僕はステージに上がる前、幕が上がる前にはワクワクしてエキサイトしてしまうので、本番に強いタイプだと思っています。自分の音楽仲間を見ても結構似たような人種が多いけど、人前に出るとあがっちゃうタイプも少なくないですよね。

僕は大学時代、ポップスオーケストラに在籍していたんだけど、2年生のときの定期演奏会では、トリの曲がフュージョン系サックス奏者で今はテレビ番組の音楽も多数手掛けている本多俊之の「スパニッシュ・ティア-ズ」でした。静かに始まるこの曲は、途中からリズムセクションが華やかになり、ソプラノサックスのソロを聴かせるという構成で、3年生がソロを吹いたんです。ところが、曲の序盤からドラムスが走りまくってしまい(彼はノリはじめると走るので・・・)、ただでさえ難しいソロを控えて「大丈夫だろうか」という一抹の不安が。しかし、ソリストの彼も本番に強かった! ふだんの30%増しくらいのテンポなのに、どうにか吹き切ってしまいました。

また僕が指揮者を務めた翌年の演奏会では、ラテンフュージョン系ピアニスト・松岡直也の「ワン・ラスト・フェアウェル」がトリ。いつもの練習ではほとんど成功したことがないトランペットの超ハイトーンを1年生のトランペッターが見事に決め、そのまま倒れこむように椅子にもたれかかったほどです。

どちらも、もう1回やれと言われても、まず無理でしょうね。成功して当たり前じゃないからこそ、余計なことを考えずにチャレンジできるんです。こういうことがあるから、ライブの演奏って楽しいんです(^^)