【東京JAZZ】セルジオ・メンデス登場

今年で15回目を迎える「東京JAZZ」こと東京ジャズ・フェスティバル。日曜日のデイセッションは「Celebrarion」と銘打っていて、今年が区切りとなる活動をしているミュージシャンが登場します。

まず最初に登場した「石若駿PROJECT 67」は、10年前に札幌で知り合ったメンバーで結成したバンドです。石若のドラムスと大林武司のピアノはちょっと迷いを感じましたが、アルトサックスの寺久保エレナの音色が印象的でした。終盤には日野皓正が参加して2曲演奏しましたが、頬を膨らませて高音を奏でるスタイルは相変わらずですね。

続いては「渡辺香津美沖仁」。こちらは、渡辺がデビュー45周年とのことです。実はあまり期待していなかったのですが、アコースティックギターを中心にラテンやフラメンコなどエスニックなフレイバーを加えた演奏に魅了させられました。

編成は最初が2本のギターにパーカッションが2人。フュージョン界の大御所のヤヒロトモヒロと伝説のパーカッショニストであるミノ・シネルという素晴らしいキャスティングです。カホンの競演もあり、ミノ・シネルのボーカルを加えたソロも独特の世界観に引き込まれます。

特に沖による「スカボロー・フェア」のアレンジは、次元を超えるような出来でした。さらに終盤にはキーボードに笹路正徳を迎えるなど、贅沢な布陣でした。

そして、締めは僕のお目当てだったセルジオ・メンデス。「ブラジル'66」の50周年です。序盤はブラジリアンポップスのような短いボーカル曲が続きましたが、75歳とは思えないバイタリティで徐々に客席を盛り上げます。ラッパーのH2Oやキーボードとサックスにフルートまで自在に操るスコット・マヨらが脇を固め、重厚な演奏を聴かせてくれました。「フール・オン・ザ・ヒル」もよかったけれど、何と言っても「マシュケ・ナ・ダ」。いったん締めた後にイントロが流れると、客席は総立ちでした。