【ドラマ】Mr. & Mrs. スミス

2005年の映画から設定を大幅に変えつつも、ポイントでは類似性を残しながらドラマ化した作品は、スミス夫妻の二人芝居が占める時間が非常に長い。ふたりの会話が延々続くのだが、それが非常にリアルでウィットにも富んでいて、演技も吹き替えもハマっているので見ていて心地よい。ただ、若干やり過ぎの感じもあって、冗長になっている部分のあった中盤は中だるみしてしまっていた。

とにかくドナルド・グローヴァーとマヤ・アースキンの演技がすべてと言ってよいのだが、表情に現れる感情の変化には引き込まれてしまう。マヤは自身が日系であり、ドラマの設定でも日本人という扱い。顔立ちや立ち居振る舞いがいかにも日本人らしい中で、会話のテンポや夫との性生活は明らかに米国のそれになっており、その対比も見応え十分だ。吹き替えの関智一と佐古真弓も、おそらくは相当楽しんで仕事をしていたのではないだろうか。

ここからシーズンを更新してゆくのであれば、会話で魅せる場面とアクションシーンのバランスはもう少し整える必要があるだろう。登場人物が少ないのは予算の問題なのかもしれないが、大物ゲストを起用するなど、もう少しスパイスが必要ではないか。主役ふたりに依存していると、あっという間にマンネリになってしまう予感がする。