【全豪オープン】本玉真唯―クレイチコバ

オーストラリアン・オープンの初日は日本勢が3人登場したものの、残念ながら全員が敗退となった。ただ、その中でも本玉真唯はクレイチコバ相手にセットアップの後もブレークアップの展開を作っただけに、流れをつかめなかったことが悔やまれる。しかし、それはクレイチコバの経験と勝負勘が勝ったということでもある。

セカンドセットもファイナルセットも、終盤の4-4あたりまで競っていると、いわゆる「ギアを上げる」タイミングがあるものだが、ここで本玉は後手に回ってしまった。ブレークしても取り返される展開は、お互いにとって厳しいものだったはずだが、最後はメディカルタイムアウトを取ってテーピングをやり直すというトリガーを作ってまで勝ち切ったクレイチコバが、シード選手らしさを見せつけたというところだ。

クレイチコバはスライスのミスが多く、また本玉がネットに出て強く返したボールを打ち切れない場面もあったのだが、敢えてそれを狙って続けているようには見えなかったので、戦術の問題、ひいてはコーチの技量ということもありそうだ。序盤は勇気を持って難しいコースを攻めていたので、その点は評価できるが、徐々に手詰まりになってしまったように思う。

日比野菜緒はサカーリ相手に競りながら、セットダウンとなった段階で一気にプレーが落ちてしまったのは、ビリージーンキングカップと同じ轍を踏んでしまったことになる。望月慎太郎は粘ってはいたが、各セットでちょっとした緩みを突かれた後に挽回できなかった。明日はシングルスに大坂なおみダニエル太郎、綿貫陽介が登場する。まずは日本勢の1勝に期待しよう。