【マイアミOP】綿貫陽介―ティアフォー

マイアミオープン2回戦で、ティアフォーとフルセットの戦いの末に逆転負けを喫した綿貫陽介は、しかし「グッドルーザー」と呼ぶにふさわしい素晴らしい内容のテニスを見せてくれた。ファーストセットは激しい競り合いからのタイブレークで制して、これでティアフォーは集中が切れたのか、セカンドセットもいきなりブレークアップ。とにかく攻めるテニスの綿貫は、楽天オープンでもファイナリストとなった相手に一歩も引かない。

第6ゲームで追いつかれるのだが、これも劣勢の中でながら、ダブルファースト気味に攻めたサーブが外れてブレークポイントを握られたもの。守りに行くとか、打ち損ないということではなく、リスクを取って攻めた結果がミスにつながったのだからやむを得ないし、綿貫の成長と自信を感じられた場面だった。このセットもタイブレークにもつれ込み、ティアフォーが取り返してファイナルセットへ。

今度はティアフォーがいきなりブレークアップして、綿貫が追いついた直後に再びティアフォーがブレーク。最後まで攻めて食らいついた綿貫だったが、惜しくもこのまま敗れてしまった。その表情には悔しさもにじませつつ、やり切った感覚も見て取れた。体つきや表情からは、かつての「生意気な若者」感が失われ、一流アスリートとしての風格すら感じられた綿貫。トップ100に入るのは、時間の問題だろう。