【MUTUAマドリードOP】ムテ―綿貫陽介

マドリードオープンの1回戦でムテと対戦した綿貫は陽介、お互いが激しく攻め合うスリリングな展開の中、相手のミスを待つ場面も織り交ぜながら勝ち切った。ファーストセットは2ブレークアップからひとつ返されたものの、第9ゲームをブレークして取るという理想的な展開。セカンドセットは競り合っていた最初のリターンゲームで、ムテがまさかのアンダーサーブ。これがハマらずに落とし、綿貫が流れをつかむ。

しかし、第7ゲームをブレークバックされて流れはムテに移ったかのようにも思えた。ところが、直後のゲームを綿貫がラブゲームでブレークすると、そのまま6-4 6-4で勝利をつかみ取ることになった。ムテはドロップショットを多用していたが、綿貫は「打ちやすい」ところに返すのではなく、意表を突いたストレートを効果的に決めるなど、相手を悔しがらせるプレーを随所に見せていた。これでメンタル的に優位に立っていたのは間違いない。

綿貫がマッチポイントを迎えた場面で、ムテがチェア・アンパイアのライアニさんに何かを抗議していたが、それでも心を乱されずにポイントを取った綿貫を褒めたい。あの場面でムテは何が不満だったのかわからないが、ジョコビッチやチチパスが長いトイレットブレークを取るようなものなのかもしれない。見ていて、決して気分のよいものではなかった。