【ウィンブルドン】ヒュースラー―綿貫陽介

2セッツダウンながら、サードセット5-2とリードした状態で中断となっていたウィンブルドン男子シングルス1回戦の綿貫陽介とヒュースラーの試合は、早々にヒュースラーがブレークバックして再開した。このまま流れを失って敗退してしまうかと思いきや、ここから粘れるのが綿貫。タイブレークで最初のセットポイントを奪い、まずは1セットをものにする。続くフォースセットもお互いキープしたままタイブレークにもつれ込むが、最後はヒュースラーのダブルフォルトでセットオールに。

ファイナルセットは最初のリターンゲームをブレークした綿貫が、直後のサービスゲームで粘られながらもキープすると、その後は安定したプレーで逆転勝ちを収める。この日の綿貫は、再開直後こそうまくいかなくてイライラする様子も窺えたが、徐々に持ち味を発揮するようになり、ネットに出るヒュースラーのサイドへパッシングを決めるなど、勝負強さを見せつけた。大事な場面でのダブルフォルトはいただけないが、セカンドサーブを「入れに行く」のではなく、相手を崩すことを意識しての結果なら致し方ないのかもしれない。

これで男子シングルスは、2回戦進出となったのは綿貫ひとりだけ。日比野菜緒も敗れ、ダブルスも青山修子と柴原瑛菜が敗退と日本勢には厳しいグラスコートで結果を残せない。加藤未唯とスチャーディのリベンジには期待がかかるが、まずは綿貫にもうひとつ勝ってもらおう。次はズベレフ。今の彼に対して、綿貫なら勝機は十分に見出せるだろう。