【ラグビーワールドカップ】日本―アイルランド

メンバー発表の時点ではトゥポウがWTBに入ってレメキが控えに回り、福岡は外れていた。ところが実際の試合ではWTBにはレメキが入り福岡が控え、トゥポウは負傷で外れていた。そして、今日の勝負を決めたトライは、その福岡が奪う。FB山中を下げて松島を回し、WTBに入っていた福岡がCTBラファエレの速いリリースを巧みに受けて飛び込んだ。ラファエレはロシア戦でも効果的な役割を果たしており、その存在感が際立っている。

 

しかし、今日の勝因は何といってもタックルだ。試合前に公言していた通りの「ダブル・コリジョン」で、ボールホルダーをふたり掛かりでつぶす。相手を引きずり倒すまで離さないという意識が、テレビを通してもよくわかった。No8マフィの負傷交代は痛かったが、交代で入ったリーチがFL、ロシア戦でも突破が光った姫野をNo8に回したことでより攻守に厚みができたことは怪我の功名だった。

 

日本の暑さは、元寇の台風のように、異邦人には思いがけない災厄だったのかもしれない。アイルランドは焦りもあり、終盤は明らかに自分たちが本来持っている力を発揮できていなかった。日本も2勝で勝ち点を9に伸ばしたとはいえ、油断は禁物。前回大会で3勝した日本がグループリーグを突破できなかったのは、スコットランドに敗れたから。その雪辱を果たす舞台が迫っている。