【バスケワールドカップ】日本―フィンランド

ドイツに敗戦して迎えたフィンランド戦は、1Qから良い感じのスタートになった。ロースコアな展開で緩やかにゲームが進んでいた中で、比江島が見せた4Pプレーは見事だったし、タイミングも絶妙だった。ややディフェンスが甘いようにも見えたが、ファウルトラブルを考えれば序盤は抑えても致し方ないところだろう。全体的にいい感じな中で、富樫の不調は気になった。プレーの選択にも自らのショットにも冴えがなく、結局このゲームでは0Pに終わってしまう。

このゲームでは、渡邊も馬場も決して調子は良くなく、誰がカギになるのかを探っている状況もあった中で、2Qに渡邊がFTを2本外した後に3Pも外して流れが悪くなったところで3Pを決めた富永に、その期待が高まった。この日の勝利だけでなく、パリオリンピックを見据えた強化ということを考えれば、渡邊と馬場以外の選手のプレータイムを長くして経験を積ませることも視野に入っていた采配にも見えた。

2~3Qでは、フィンランドに余裕を持った状態で3Pを打たれるシーンが目についた。ボールホルダーに寄せすぎて、フリーの選手を作ってしまっていたということだ。河村は序盤こそ中に切れ込みながら何もできずに出てくるパターンがあったが、「自分で行く」選択肢を持ってからは一気に覚醒した。4Qに見せたレイアップでアンド1を獲得したプレーも、このゲームの中での彼の成長を如実に表していたといえるだろう。

目立つプレーという意味では河村と富永が抜けてはいたが、要所で仕事をしたジョシュ・ホーキンソンあってのこと。終盤のジョシュの存在感は本当に頼もしかった。リバウンドを奪い、ゴール下で強さを発揮するだけでなく、FGもしっかりと決めてくれた。主軸が不調の中、脇役たちが活躍した内容も次につながる。オーストラリアは強豪だが、臆せずチャレンジして欲しい。