【バスケ強化試合】日本―スロヴェニア

ワールドカップに向けた強化試合の最終戦は、ドンチッチ擁するスロヴェニアとの対戦。1Qを見る限りは決して大きな差があるようには見えなかったが、徐々にその差は露呈してゆく。日本は3ガードのような布陣だが、馬場をスウィングマンと捉えれば通常のシステムともいえる。ただ、このスターターでジョシュすらゴール下に入らずに3Pを狙っているようでは、手詰まりになってしまっても当然だ。

2Qの攻防は興味深かった。序盤はスロヴェニアがガチガチのディフェンスで来たことで、混乱して何をしてよいかわからなくなってしまった日本だったが、スロヴェニアの強度の高いディフェンスはファウルを誘発する。チームファウルが5つに達し、FTをきっちり決めることで互角の展開に持ち込んだかのように見えたが、終盤に自分たちのチームファウルも5つを数えてからは、一気に引き離されてしまった。そもそも2Qは、プレータイム調整のために主力を下げる傾向があるので、チーム力の差が如実に出てしまうのだ。ルークや原、西田といった選手で強豪と相対するのは、やはり難しい。

スロヴェニアの強さはドンチッチの個人技だけではなく、プレーに迷いがなく、次のプレーへの移行が速いこと。周囲を見て探してフェイクを入れて、というような「無駄な」ことをせずに一気に押し切る形をチームが共有していることこそが、強さの本質ではないだろうか。フィジカルとテクニックの差はいまさらどうしようもないので、日本はチームとしての戦術で補うしかない。その意味で、HCトム・ホーバスに期待がかかる。