【バスケワールドカップ】米国―ニュージーランド

ラグビーオールブラックス(All Blacks)をもじってトールブラックス(Tall Blacks)という秀逸なネーミングを施されたニュージーランドが米国に挑む一戦は、いきなりニュージーランドが10点リードする展開で始まった。その原因は米国の強引さ、あるいは傲慢さ。ファウルをもらうか与えるかというほど激しいボディコンタクトで、実際にオフェンスファウルを立て続けに取られる場面もあった。ノールックパスを2本続けて、結果的にボールが大きく外れてスタンドに流れたプレーなども含め、ニュージーランドをナメたプレーにはリスペクトのかけらも感じなかった。

ニュージーランドもフィジカルを活かして応戦した。1Q終了間際までリードしていたものの、ひっくり返されて2Qへ。しかし、ここでも再逆転して2Q中盤までは競った展開を続けていた。それ以降は米国が連携を取り戻す一方、ニュージーランドは心身ともに疲労が見られ、プレーの判断が遅くなっていた。その一歩の差が、米国のプレーに正確性をもたらしていたのではないだろうか。

米国ではブリッジスやバンケロが荒っぽい個人技に走る一方で、リーブスやエドワーズのプレーにはセンスが感じられて好感を持った。特にオースティン・リーブスが3Qに見せたスティールからそのまま持ち込んでショットを決めた流れは美しかった。

南スーダンプエルトリコの試合は劇的だった。リードを奪われていたプエルトリコが4Q残り2分で追いつき、残り10秒で逆転。しかし、残り5秒に南スーダンが3Pで追いついて、残り1秒でプエルトリコにFT2本。ところが、これを2本とも外してしまってOTに。結局はOTでプエルトリコが勝つのだが、FT2本を外した場面で頭を抱えるヘッドコーチの様子が印象的だった。