【映画】ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー:VOLUME 3

<ネタバレあり>

 

 

相変わらずのメンバーがお約束のネタも含めて楽しませてくれる、マーベルのMCUにおいてもエンタメ要素満載という意味ではダントツのシリーズ。昨年のホリデースペシャルに続いて、映画本編の第3弾として帰ってきた。全編を通して感じるのは、性別や民族ではないダイバーシティの視点。全員が完璧である必要はなく、皆が「あるがまま」にそれぞれの良さを発揮することで良いコミュニティが作れるというメッセージだ。

それが象徴的に表れるのが、マンティスとドラックス。「虫とマヌケ」と呼ばれる場面もあり、知性より感性というタイプのふたりだが、心理戦で貢献したり、捕らわれていた子供たちにうまく接したりという形でガーディアンズダイバーシティを高め、その結果としての成果をもたらしている。

ピーター・クイルのピンチで、大方の予想だったであろうグルートの手が届かなかったところで、アイーシャの「息子」という設定のアダムがまさかのヒーローとして活躍する。これは「セカンドチャンスを与えること」の大切さを描く意図であろうと思われ、これも「レッテルを貼らない」という意味では、ダイバーシティに通じるテーマとも言える。

ちなみに、ドラックスが相手と打ち解けようとする場面でボールを思い切りぶつけてしまったことは、ローランギャロスで起きた加藤未唯の失格騒動を思い出させる。やはり悪気がなかったとしても、ちょっとした配慮の不足で関係構築のチャンスを失ってしまうかもしれないし、一触即発の状況にもなり得るのだ。これはドラックスの強みにとっては、裏返しの作用として描かれている。

ネビュラの体型が変わってしまっていることにも驚いたが、もっとクールに見えたガモーラとの関係も、妙にウェットというか、お互い本音で罵り合っているところも意外な印象があった。グルートも成長した上に破壊されての再生を経る中で、顔がちょっと丸顔気味になってように感じた。そして何より、「ボク(俺)はグルート」と訳される"I am Groot"以外に、"I love you guys"という台詞をしゃべったことが最大のサプライズだろう。

ジェームズ・ガン監督の起用にはいろいろあったが、結果としてはDCに行ってしまったので、この先はシリーズが続くとしても別の監督が作ることになるはず。ガーディアンズのメンバーが大幅に変わっていることもミドルクレジット映像で示唆されているが、まだまだ製作を続けて欲しいシリーズであることは間違いない。