【女子ワールドカップ】日本―ノルウェー

女子ワールドカップのノックアウトステージ1回戦で、なでしこジャパンノルウェーと対戦。4-3-3という予想に反して、ノルウェーはキックオフから5-4-1のブロックを敷いてきた。つまり、日本がスペイン対策で取った戦術を、ノルウェーが日本相手に採用したということ。それだけ日本のビルドアップを警戒していたのだ。オウンゴールで先制したものの、自陣左サイドを破られてクロスを上げられて同点ヘッドを許す。ただ、これは想定内だったはずだ。

右の清水に比べ、左の遠藤の方が攻撃寄りの選手であって、ここを破られて中央で合わせられることを警戒していたはず。しかしながら、ノルウェーの高さを警戒して戦術を変えるのではなく、スペイン戦で取ったカウンター狙いでもなく、本来の持ち味であるポゼッションサッカーを貫くスタンスを取ったなでしこジャパン。1点くらい許しても2点取ればよい、というくらいの気持ちだったのではないか。そして、その通り、後半に2点を加えて突き放した。

この点の取り方が、また素晴らしかった。左サイドで仕掛けて、最後は逆サイドのアウトサイドである清水が仕留める。これはできないとポゼッションサッカーは「持たされる」ことになりかねない。しかも、僕にとっては、ゴールを決めたのが清水だったことが本当にうれしかった。7年前に西が丘で見たベレーザと浦和の試合で清水に目が留まり、直後には会社の対話会で「清水推し」を表明していたくらいなのだ。今大会でも何度かゴールのチャンスがありながら決め切れていなかったので、このゴールでブレイクするかもしれない。

3点目は、ノルウェーが前掛かりになったところにカウンターを発動させ、スペイン戦の再現のような形で宮澤が決めたもの。ビルドアップもできればカウンターも強い。こんな姿を見せつけてしまったのだから、なでしこジャパンへの包囲網はタイトになるだろう。そこを突き破ってこそ意味があるというもの。ここからの戦いに、真価が問われている。