【女子ワールドカップ】ザンビア―日本

東京オリンピックでは全体的に硬いプレーが続き、本来の実力を発揮することができずに終わってしまったなでしこジャパンだが、今大会は上々の初戦となった。ザンビア相手にタイトな守備を見せ、序盤は相次ぐオフサイド判定に苦しんだものの、宮澤ひなたのゴールで先制すると田中美南が2度のオフサイド判定の後に3度目の正直で2点目。さらに宮澤と遠藤が決めて最後は植木のPKと、すべてのゴールをベレーザOGと現役が叩き出しての快勝だった。

誰がよかったかと言えば全員と言って良いほどで、育成世代から担ってきた池田太監督の功績だろう。浦和出身の監督だけに、清家や猶本といった浦和レッズレディースの選手を終盤に起用したが、これだけの結果を見せてくれれば文句など言えない。GK山下が仕事をする機会がほとんどない状態で、削られて負傷する選手もなく、考えられる限り最高の立ち上がりとなった。

身体能力の高いザンビア相手にフィジカルでも決して負けていなかった上に自信を持ってプレーできていたので、グループリーグのコスタリカやスペインとの対戦も不安はなさそうだ。攻撃陣では藤野にゴールがないまま終わってしまったのは残念だが、今日のパフォーマンスを見せてくれれば遠からずゴールを決めてくれるだろう。スタンドでは、なでしこジャパンのレプリカを着たり日の丸を掲げた地元の子どもたちが見られ、選手のモチベーションにも寄与したはずだ。