【カリビアンOP】錦織圭―クルーガー

実に19ヶ月ぶりに実戦に復帰した錦織圭が戦う、プエルトリコでのATPチャレンジャー大会。初戦は明らかに格下のランモに対して、予想に反してキレキレの動きを見せた錦織が圧倒した。フットワークはベストの状態に近い上に、ショットも正確。攻めるところはしっかり攻めていて、本人としても上出来という印象を持ったようだ。確かに、あのテニスなら、ツアーでも十分に戦えるだろう。

そして迎えたミッチェル・クルーガーとの2回戦は、いきなり2つのサービスゲームを落として0-3という苦しい滑り出し。しかし、ここから立て直した錦織が、ファーストセットこそ許したものの、徐々に相手を追い詰めてゆく。クルーガーも正確なドロップショットを繰り出すなど、良いプレーを随所に見せてはいたのだが、錦織の巻き返しが勝った。序盤はショットの感触や狙ったプレースメントに落とせるかどうかを確かめるような雰囲気があったが、中盤以降は主導権を握って多彩なショットを繰り出し、相手のミスを巧みに引き出していた。

準々決勝に駒を進めた錦織だが、試合後のWOWOWのインタビューでは疲労困憊した表情で、すっかり生気を失っていた。本人も、初戦が良すぎたので、2回戦は落ちるだろうと予想していたようだが、それでもここまで立て直したことは評価できる。スタミナ面は不安があって当然だが、準々決勝の相手となったウォルトンには勝ってほしい。勝てば準決勝は、おそらくバーナード・トミックと当たると思われるので、ここが大きなヤマになるだろう。