フィギュアスケートは、もちろん演技を楽しむだけでも十分だが、使用される楽曲にも注目したい。僕のツボでもある80年代ポップスが使われることが多く、数年前にはユーリズミックスの「Sweet Dreams」が大人気だったが、今年もデヴィッド・ボウイの「Let's Dance」やスティングの「Englishman in New York」などが使われていた。村元哉中/髙橋大輔組を含む複数のアイスダンサーが使っていた「Conga」も、マイアミ・サウンド・マシーンが1985年にリリースした楽曲だ。
そんな中、世界フィギュアで気になった曲が2曲あったので、さっそくiTunesでダウンロードしてみた。キム・イェリムが使ったKarl Hugoの「Summer Arabesques」は見つからなかったが、同じミュージシャンによる似た感じの楽曲「Endless Last Kiss」はピアノの繊細な音色がきらびやかでリズミカルな旋律を奏でる佳曲。レコーディングにクリアさが欠ける点はもったいないが、素敵な世界観に浸ることができる。
ニコル・ショットが使った「ボヘミアン・ラプソディ」は、クイーンの原曲ではなくDaisy Gray版。艶っぽい女性ボーカルでゆっくりと歌い上げるアレンジになっていて、フレディ・マーキュリーとは一味も二味も違う味わい。ただ、歌詞の一部である"Scaramouche, Scaramouche, will you do the Fandango"はコーラスの部分とはいえ、これを別の歌詞に置き換えていることについては、原曲へのリスペクトを欠いているようにも思えて気になってしまった。
いずれにしても、フィギュアスケートと音楽は切っても切れない関係なので、どとらも好きな僕にとっては多彩な楽しみ方ができている。