【ドラマ】トッペン~リサとロクサーヌ、トップへの道~

スウェーデン製作のドラマは、シリアスなものは徹底的にシリアスだが、コメディは本当に脱力していてわかりやすい。この作品は後者デンマークのドラマ「コペンハーゲン(原題:Borgen)」をそのままコメディに移植したような内容だ。「お飾り」という位置づけだった福祉担当大臣のロクサーヌが、広報担当官のリサとともに、あわよくば首相の座を狙う展開で、そのお粗末な後方戦術やプレス対応が笑いを誘うのだ。

1話30分ながら、出演している俳優陣はそれなりに大物が並ぶ。「不機嫌な人々」「刑事ペーテル」でもそれぞれの役柄を巧みに演じていたロバート・グスタフソンが、今回もまた見事な味わいでスパイスを効かせている。また、同じく「不機嫌な人々」に出演していたレイフ・アンドレーの渋みも欠かせない。女優陣がとぼけた感じを振りまく中で、この二人が引き締めている印象だった。

映像に挟み込まれるスウェーデンの街や自然は、本当に美しい。「何もない田舎」のような扱いで登場する街も、僕にしてみれば素晴らしい環境だ。ブルージュアムステルダムと並んで「北のベニス」と称されるストックホルムもいいが、ゴットランド島も魅力的だ。マルメに少しだけ立ち寄った経験しかないが、もっとスウェーデンを味わってみたくなった。