【ドラマ】ランナウェイズ

原題はMarvel's Runawaysで、マーベルのシリーズとしてHuluが制作配信したものだ。3つのシーズンがあるが、一気に見るほどには興味がそそられず、放置するほどつまらないわけでもないので、時間をかけて少しずつ見進めて行った。シーズンごとにかなり状況が変わるが、子どもたちとその親のグループが学芸会のように集合しては、事件に対処するという構成だった。

主人公グループが黒人、アジア系、ヒスパニックといった民族的なダイバーシティを強く意識したもので、最近のマーベルの傾向を先取りしているとも言える。アジア系の一家は日系らしいのだが、ラストネームの「ミノル」はなかなかあり得ない。子役は安く抑えたのだろうが、親のラインナップはそれなりに出演歴のある俳優たちなので、ここまで学芸会のような仕立てにしてしまったのは制作陣の問題だろう。もう少しシリアスな場面を増やすか、思い切ってコメディに振り切ってくれた方がよかった。おそらく狙いはコメディなのだろうが、それにしてはユーモアが不足していた。

全10話のシーズン3を、9話目でほぼ完結できる状態にしておきながら、時間を遡って過去に関与させることで、絵にかいたような「蛇足」を生んでしまった。シーズン1の最初から振り返る狙いもあったのだとは思うが、余った尺を埋めるかのような安易な作りはさすがに無理がある。これならよほど、数年後の子どもたちの姿を見たかった。役者たちも微妙に成長してしまっているので、時系列を変えるのは撮りづらかったはずだ。