【映画】ウィークエンド・アウェイ

クロアチアスプリトで週末を過ごすはずが、とんでもない事件に巻き込まれてしまうというストーリー。途中、意外な展開で終わりそうになり、これではあまりに陳腐だと思っていたら、さすがにそこからもう一波乱作ってくれた。キャストがいかにも低予算だし、真相に至る伏線はイマイチ浅い気もするが、それでも安っぽくなり過ぎずにそれなりに楽しめる。「ゴシップガール」のレイトン・ミースターが主演で、序盤では垢抜けない地味な印象が強かったが、徐々に表情が多彩になり、味わいを増してゆくあたりも面白い。

撮影地がクロアチアということで、「ER」のルカ・コバッチュを頭に浮かべながら見ていたら、刑事の名前が「コバッチュ」で小悪党が「ルカ」と、制作陣が意識していたかのようなネーミング。最近見たスウェーデンのドラマではサッカーにちなんでいて、イブラヒモヴィッチの出身地マルメの若者に「イブラ」、弁護士には名監督スヴェン・ゴラン・エリクソンを思わせる「スヴェン・エリク」という名前を使っていた。ただの偶然とは思えないという印象を受けたが、おそらく狙ったものなのだろう。

それにしてもスプリトの風景や街並みは美しい。アドリア海は、以前ヴェネツィアからリュブリヤナに向かう鉄道から眺めたことがあるが、ここまでの青さではなかったので、あらためて自分の目で見てみたいという気持ちが湧き上がった。安心してヨーロッパを旅する時間が、早く訪れることを願っている。